ディオマンデの移籍金は高すぎ?|他の選手と今季の出来で比べてみた!
目次
最近、X上でディオマンデの活躍についての議論をよく目にする気がするので、考察してみました。
この夏、レアル・マドリードは RB ライプツィヒからヤン・ディオマンデを獲りました。19 歳のコートジボワール代表のアタッカーで、契約は 2033 年 6 月までの 7 年。クラブは金額を発表していませんが、ESPN と AS は固定で 1 億 2500 万ユーロ、ボーナスを含めて最大 1 億 4000 万ユーロと伝えています。報道どおりなら、クラブ史上いちばん高い買い物です。
その値段に見合った活躍を、今季ここまでできているのか。同じ夏に大きな額で動いた攻めの選手と、今季の出来で比べてみます!
今夏移籍した他の選手たちと比較
Football365 がまとめたこの夏の高額の移籍では、ディオマンデは 1 億 700 万ポンド。攻めの選手では、チェルシーに移ったロジャーズ(1 億 1700 万ポンド)に次ぐ額で、リバプールに移ったバルコラ(基本 1 億 600 万ポンド)とほぼ並びます。
| ロジャーズ793 分・79 人中 | ディオマンデ546 分・84 人中 | バルコラ425 分・61 人中 | ゴードン581 分・84 人中 | ヌディアイェ680 分・61 人中 | マンザンビ323 分・79 人中 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 攻め | ||||||
| 評点 | 6 位 | 20 位 | 35 位 | 12 位 | 25 位 | 15 位 |
| ゴール | 3 位 | 33 位 | 0 | 58 位 | 0 | 4 位 |
| アシスト | 39 位 | 18 位 | 6 位 | 5 位 | 7 位 | 1 位 |
| xG | 22 位 | 73 位 | 40 位 | 28 位 | 24 位 | 2 位 |
| キーパス | 20 位 | 28 位 | 25 位 | 14 位 | 24 位 | 18 位 |
| ドリブル成功 | 6 位 | 1 位 | 16 位 | 13 位 | 11 位 | 4 位 |
| 守り | ||||||
| ボール奪取 | 28 位 | 23 位 | 9 位 | 62 位 | 6 位 | 59 位 |
| タックル | 48 位 | 9 位 | 9 位 | 42 位 | 14 位 | 58 位 |
| インターセプト | 77 位 | 19 位 | 17 位 | 58 位 | 24 位 | 66 位 |
| 競り合いの勝ち | 14 位 | 2 位 | 33 位 | 50 位 | 13 位 | 24 位 |
まずは攻撃のスタッツから。攻めでいちばん数字を出しているのは、値段がディオマンデのほぼ半分のマンザンビです。6 項目のうち 5 つが上位で、ゴールだけでなく、アシストやドリブルまでオールラウンダーな特徴がはっきりと出ています。実際に見ていても非常に印象的な選手なので、ディオマンデの半額で取ったアストン・ヴィラの手腕がすごいと言わざるを得ません(十分高額だけど)。
ロジャーズが 793 分で 5 点を取り、評点も MF の 6 位と、決定力においては突出した成績を残しています。(余談ですが、最近のスパーズ戦でロジャーズCF起用があんなにハマらなかったのは意外でした。元々タッチが多いタイプではないので、フィニッシャーのような立ち位置は問題なくこなせると思ったのですが、ジョアンペドロの偉大さがわかりますねw)
バルコラはまだ得点がなく、評点は FW 61 人の 35 位。まだまだこれから。フィニッシングの課題はディオマンデと共通する部分かもしれません。
守備スタッツにまで比較範囲を広げると、非常に面白い結果になります。ボール奪取・タックル・インターセプト・競り合いの勝ちの 4 つを総合的にみると、ディオマンデが 6 人の中でいちばん上に来ます。実際に試合を見ても、ディオマンデの機動力はすごいです。
マドリーのマンツーマン気味のハイプレスもかなりハマってるように見える。やっぱり明らかに左サイドのディオマンデとククレジャの機動力がすごいわ。
FCうつけ者X で見る(2026 年 10 月 25 日)
総合的にみると、シティのエンディアイェ(エンジャーイ?)と似たスタイルなんですかね?実際見た感じ、ディオマンデの方が1 on 1で仕掛けるタイプに感じましたが、ざっくりとした数字上は近いようです。
参考:同じラ・リーガの中で:ゴードンと並べる
同じリーグ・同じポジションということで、ゴードンとより詳細に比較してみましょう。ニューカッスルからバルセロナに移ったゴードンは、ディオマンデと同じラ・リーガの FW 84 人の中にいます。値段はディオマンデの 3 分の 2 ほどです。
まとめると、守備を含む対人の貢献度ではディオマンデ、数字に残るスタッツではゴードンが上という感じですかね。
ゴードンは守備でハードワークできる選手という印象だったので、この結果は少し意外でした。守備貢献はこの数字だけでは測れない(周りと連動したプレスや穴を塞ぐランニングなど)ので、実際に試合をちゃんと見ないとわかりませんが、少なくともディオマンデが上回っている部分もあるということですね。
参考:ラ・リーガのほかのアタッカーと比べる
ラ・リーガで今季 300 分以上出た FW 84 人を並べてみました。攻めも守りも上から 4 割に入るのは 7 人だけで、ディオマンデはビルバオのベレンゲルに次ぐ 2 番目です。
デポルティーボのジェレマイ・エルナンデスは、ボール奪取が 84 人の 1 位、ドリブル成功が 4 位と、ディオマンデに近い形の選手です。
- 攻めも守りも上から 40% 以内(7 人)
- ベレンゲルアスレティック・ビルバオ攻め上から 26%守り上から 25%
- ディオマンデレアル・マドリード攻め上から 34%守り上から 16%
- ゲデスレアル・ソシエダ攻め上から 35%守り上から 30%
- ジェレマイ・エルナンデスデポルティーボ・ラ・コルーニャ攻め上から 36%守り上から 9%
- アンドレス・マルティンラシン・サンタンデール攻め上から 37%守り上から 28%
- ロベルト・ナバーロアスレティック・ビルバオ攻め上から 39%守り上から 37%
- イニゴ・ビセンテラシン・サンタンデール攻め上から 40%守り上から 21%
- 名の知れた選手
- ヤマルバルセロナ攻め上から 4%守り上から 56%
- ラフィーニャバルセロナ攻め上から 10%守り上から 80%
- エムバペレアル・マドリード攻め上から 18%守り上から 74%
- ゴードンバルセロナ攻め上から 26%守り上から 63%
- ヴィニシウスレアル・マドリード攻め上から 32%守り上から 51%
- ジュリアーノ・シメオネアトレティコ・マドリード攻め上から 52%守り上から 10%
一方、名の知れた選手は攻めか守りのどちらかに寄っています。ヤマル、ラフィーニャ、エムバペ、ゴードンは攻めは上から 3 割以内ですが、守りは真ん中より下。アトレティコのジュリアーノ・シメオネは逆に、守りが上から 1 割で、攻めは真ん中です。攻めと守りの両方で数字を残すアタッカーは、ラ・リーガでも多くないようです。
ゴールの前の数字は、なぜ低いのか
最近はゴールを決めている印象もありますが、やはり序盤の起用方法に引っ張られているんでしょうか。少し深掘りしてみます。
まず出場時間です。ここまでの数字は 90 分あたりにそろえているので、出た時間が短いこと自体で数字が下がるわけではありません。ただ、シュートはまだ 10 本だけで、少しのことで大きく動きます。単純にデータが少ないので、まだ評価するにはブレが大きいタイミングだということですね。ヴィニシウスの出場停止もあって 10 月は先発が続いているので、継続的にウォッチする必要があります。
次にチャンピオンズリーグです。このサイト(pitchnote)のデータはリーグ戦だけで、CL は入っていません。ディオマンデは 10 月 21 日の CL、古巣ライプツィヒ戦に 70 分から出て、エムバペの得点をアシストし、87 分に自分でも決めました。リーグ戦でも直近 5 試合で 2 点を取り、90 分あたりのゴールは FW 71 人の 22 位。ゴールを決めている印象はここから来るものでしょう。
xG が低いのに点が取れているのは、シュートの質です。1 本あたりの xG は 0.07 で、今季 300 分以上出て 5 本以上打った FW 83 人の 71 位(真ん中は 0.12)。入る見込みの低いシュートが多く、そのうち 2 本を決めています。データに反映されていない、CLライプツィヒ戦で決めたボレーシュートもスーパーでした。
もう一つは役割です。チームのシュートはエムバペに集まっていて、エムバペは 894 分で 52 本を打ち、xG は 9.92。ディオマンデは左と右に 5 試合ずつ出ていて、ドリブルの試行は FW 84 人の 3 位です。ゴール前で待つより、ボールを運ぶ仕事が多い役です。モウリーニョ監督もインタビューで、決める力やアシストはまだ伸ばす必要があると話しています(AFP)。昔のヴィニシウスを見ているようだとの発言もありましたよね。自分も同じこと思いました笑。
ディオマンデ、昔のヴィニシウスを思い出しますね
FCうつけ者X で見る(2026 年 10 月 18 日)
妥当だったのか
今季の今の所の数字だけで見ると、ディオマンデはまだ移籍金に見合った活躍とは言えません。値段に見合う攻めの数字を出しているのは、同じ 1 億ポンド台ではゴールを量産しているロジャーズで、ディオマンデはゴールの前の数字が足りません。同じリーグのゴードンと比べても、シュートと xG では大きく負けています。
ただし、ディオマンデの守備貢献を無視してはいけないと思います。特にレアル・マドリードのチーム事情を考えれば特にです。
考察:なぜ移籍金が高額になったのか
ここからはスタッツとか関係なしの考察です。的外れなものもあるかもですがご容赦ください。
リバプールやPSGとの取り合い
これはまああってると思います。この夏はリバプールとPSGもディオマンデを狙っていて、PSGは最後に 1 億 250 万ポンドを出して断られています。ESPN によると、もともと本人がいちばん行きたかったのは PSG だったそうです。そこにマドリードが割って入った形なので、上乗せしないと話がまとまらなかったのでしょう。
売る側のライプツィヒも強気でした。契約は 2030 年まで残っていて、売り急ぐ理由がありません。春の時点で、すでに 1 億ユーロを超える額を求めていたと報じられています。
ワールドカップの直後という時期
交渉がまとまったのは 7 月の終わりで、正式な発表は 8 月 6 日。市場の締め切り(9 月 1 日)の 1 か月ほど前なので、終盤の駆け込みではありません。むしろ効いたのは、ワールドカップでコートジボワールの中心として目立った直後だったことだと思います。値段がいちばん上がるタイミングで買いにいったことになります。
ペレス会長の公約
ペレス会長は 6 月の会長選挙で、1 億 5000 万ユーロの大型補強を公約にしていました。その申し出はアトレティコのフリアン・アルバレスに出されて断られましたが、大きな補強をすること自体は、夏の前から既定路線だったわけです。ライプツィヒがこの公約を値段の交渉に使った、という報道も一部にあります。
右サイドの穴と、モウリーニョ監督の好み
右サイドには、定位置の選手がいませんでした。ロドリゴは前十字靭帯のけがから回復中で、マスタントゥオーノはレンタル。ブラヒムも定位置を取れていません。ボールを持って前に運べる縦の推進力は、速攻の出口がほしいモウリーニョ監督の戦い方にも合っているので、モウリーニョが強く希望したんじゃないかな?と考察してます。
エムバペとヴィニシウスの守備
エムバペとヴィニシウスの守備は、アンチェロッティ監督の頃からの課題でした。前の 2 人の守備に限りがある以上、もう 1 枚のアタッカーには、走って守れる選手がほしい。そうなってくると、前述の通り候補は少なくなってくるわけですね。
まとめると、値段を押し上げたのは取り合いと時期で、ペレス会長の公約とチームの事情が、高くても買う理由になった、という見立てです。
まとめ?
神補強!!
ずっと出ててほしい!少なくともヴィニシウスとの健全なポジション争いはしてほしい!
ディオマンデの守備常軌を逸してるなw後半バテバテにならないかが心配。ディオマンデの代わりに左サイド入るとしたらブラヒムディアスになるのかな。個人的にはカレーラスとククレジャのコンビ見たいけど。どっちか一人しか選べない現状はあまりに勿体なさすぎる。
FCうつけ者X で見る(2026 年 10 月 18 日)
加えて、見てて楽しい攻撃。相手の逆をつくドリブルとはこういうものなのか、と感じさせてくれます。
ディオマンデ相手の逆とるドリブルほんと上手いな。こんなの中々見れない気がする。
FCうつけ者X で見る(2026 年 10 月 14 日)
フィニッシュの部分など課題はありますが、絶対に移籍金をペイする活躍をしてくれると信じていますし、この選手を獲得してくれたペレスにまずはお礼を言いたいと思います。ありがとう!
ちなみに、90分あたりドリブル成功数で、ディオマンデは全選手の中で4位です。
- 1ジェレミー・ドクマンチェスター・C7.06
- 2ブライアン・グルダライプツィヒ6.11
- 3サヴィーニョトッテナム4.89
- 4ヤン・ディオマンデレアル・マドリード4.62
- 5エドン・ジェグロヴァユベントス4.43